「ウデマエ詐欺」にメリットなし。実力は嘘を付けない。【スプラトゥーン2】【コラム】

     昨今スプラの界隈では「ウデマエ詐欺」と呼ばれ、スクショを都合よく加工して実際の実力より盛ってアピールすることで、後に炎上沙汰という痛い話題がありました。

     今回はネット上を閲覧していて気付いた「ウデマエ詐欺」に関する現状と、その心理考察です。SNSの炎上リスクも踏まえ、インターネット上のマナーやリスクに関する話題も含みます。

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    ちょっと標語みたいなサムネになりましたw

     余談ですが、私は学生の頃は心理学(社会心理学)を勉強していた時期があります。その流れからか、今も心理学や行動科学に関する本を読む事もあり、直近ですと行動科学マネジメントに関する書籍も読みました。

     他の同系統の著書でもそうでしたけど、共通している点において「人間は基本的に怠け者である」というニュアンスで書かれていることが多いのだそう。
     これは逆手に見ると楽をする為の努力は惜しまない性質という事でもあるそうで、言われてみると、数々の文明の利器を生み出した根底には便利にしたい=楽をしたい心理があると言えますね。

     しかし反面で、不正をするための努力ほど無意味なものも無かったりします。ここはウデマエ詐欺の心理にも共通しています。



     少し長いお話になりますが、以降はご興味ありましたらドウゾ。







    「ウデマエ詐欺」という言葉の由来



     スプラトゥーンの世界では、自らのウデマエを偽る行為を「ウデマエ詐欺」と呼ばれます。「詐欺」と物騒な名前が付けられていますがこれは「ウデマエを偽証した(嘘つき)」のスラング的な意味で、金銭をだまし取る等の犯罪の意味ではありません。
     
     自虐ギャグや尊敬の意図で、例えば「ゲームの画面はS+だけど、実力はA帯のウデマエ詐欺は僕です」とか「〇〇さんはとてもB帯とは思えない強さ!ウデマエ詐欺じゃないですか~」…というパターンもあります。

     しかし、詐欺という名の通り悪い意味で生まれた言葉ですので、第三者からの誤解を生む可能性もあるので日常会話に用いるのは推奨しません。尊敬の念を向けるならきれいな言葉を選びましょう。

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     ウデマエ詐欺という言葉の原点は、一部のプレイヤーの不正行為から、その行為の低劣さや幼稚さに対しての皮肉で用いられる事が殆どです。

     スプラトゥーンは、実際にプロゲーマーとして活躍しているプレイヤーもいる程に成長したタイトルです。大人気の対戦ゲームの1つですから、実力(ウデマエ)の高いプレイヤーほどより多くの注目を浴び、称賛される傾向にもあります。

     炎上した出来事を追っていると、実際の実力や数値よりも上乗せした加工画像を使って、自分はウデマエが高いプレイヤーだと嘘のアピールをする例だけではありませんでした。
     ウデマエが相応に上がってから大会への参加実績を残したいと思っても、同じウデマエで強豪ばかりの大会では良い成績が残せないという劣等感からの失態も散見されます。

     Xパワーやガチパワーを基準にした実力の上限がある非公式(アマチュア)大会では、実際のウデマエや数値を低く偽って大会にエントリーしたプレイヤーもいる様子でした。
     客観的に考察すると、自らを低く偽り、ウデマエの低いプレイヤーが対象の大会にエントリーして楽に優勝することで賞賛や注目を浴びたり、あわよくば実績にしてしまえるとでも考えたのでしょう。

     後に周囲のプレイヤーから「この人はもっと高いウデマエで、参加権は無いのにエントリーしている」という指摘や告発があったのか、ウデマエ詐欺が発覚してSNS上で拡散される炎上沙汰に発展。
     元々のウデマエのプレイヤーとしても信頼が失墜する結末になっていました。



     このような事例と、最近ニュースでも話題になる「オレオレ詐欺」(リアルの犯罪)のように、他人をだます行為と語呂の良さも相まって「ウデマエ詐欺」という言葉が使われ始めたと見ています。




    弱い自分が不正をする悪魔にかわる時



     もっと高いスコアを出せば、もっと賞賛を得られ有名になれるはずだ…だからどんなことがあっても下がっていけないという意識が出始めている方は、無意識レベルで脅迫概念を抱えている事になります。

     そして現実は用事があって忙しかったり、面倒でやる気が起きなかったり、違うゲームの方に気を取られていたり、様々な事情が付きまといます。

     そしてプレイできる時間ができても、モチベが低く満足な結果や数値が得られない。調子が悪い時は「自分だけ取り残されている」という焦燥感に変わり、どうにか楽をして満足できないかと考えてしまうのも人間の悪い癖です。

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     楽をしたい心理はプラス(利他的)に働くだけではなく、非常にマイナス(利己的)な側面もあします。そういった面からお話していきましょう。
     マイナスの面で分かりやすいものを挙げると「スポーツ選手のドーピング」「テストでのカンニング」「ゲームのチートや改造」「仕事をサボって居眠りする」などの行動です。

     これらの行為は概ね「普通にやってると勝てなくてつまらない」「勉強や仕事をやりたくない」「みんなとは違う事をできると自慢したい」という、自分だけ楽をしたいという非常に利己的な動機が占めています。

     残念な事に正攻法が遠回りで面倒くさい事であるほど、手っ取り早く楽ができるという一瞬の満足感が大きくなり、もう1回もう1回と抜け出しにくくなります。
     そこから「バレなきゃ大丈夫」が始まり、再び同じ不正に手を染めるという悪循環が始まります。

     運よく騙すことに成功すれば、一時的でも気分は良くなる事でしょう。しかも、悪い事であろうと楽に成功したという本能的な欲求が叶えられると、脳はそれを記憶してしまいます。

     そしてまた同じ手が通用するだろうと、ゲームのプレイスキルよりも他人を騙すための努力に費やすようになり、不正が見つかりそうになると「他の人も同じようにやってるし」と集団心理を盾に自分を肯定し、善悪の見境が付かなくなっていきます。

     早いうちに親しい人が止めに入るなどして改心すれば事なきを得る場合もありますが、実際は発覚して炎上するまでやめられず、炎上後はアカウント削除して姿をくらますという結末が殆どです。




    小さな不正もバレる時代に



     青天井になったウデマエの世界では、欲望もまた青天井になりやすいのかもしれません。少しでも早く上位プレイヤーの仲間入りをしたい。一気にレートが上がったところを自慢したい。フォロワーや動画の登録者を増やして、もっと人気者になりたい、注目されたい…
     承認欲求や自己顕示欲は、その強弱こそあれ誰にでもあります。ここまでは誰しも思いつく一般的な欲求です。

     しかし、早く楽に勝ちたいからちょっとだけ改造しておこうとか、画像はネット上の拾い物だから加工しとけばバレないだろ…と、こう考えついた時点でアウトなんです。

     スプラ2の場合はSNSを併用するユーザーも多いと言えます。ツイッターひとつ見ても、アルバイトが悪ふざけの写真を投稿して炎上して訴訟沙汰になった事件もありますし、有名人やタレントが軽はずみな言動を投稿して、大勢から叩かれるという事も少なくありません。
     動画サイトも同様、ネット上で公開されている以上は誰の目にも止まる可能性があるのは変わりません。

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     画像やテキストに対してのパクり行為に関しても、インターネット上は検証用の場所があるほど検挙に暇がありません。
     「この画面は〇〇さんが出た大会で見たことある」「この人はどうして◇◇◇さんの動画から切り抜いたスクショで報告しているんだろう?」と、バレる確率の方が高い時代でもあります。

     グーグルの画像検索ひとつを見ても、数年前よりずっと精度が上がっており類似画像を探しやすい環境にあります。
     同人界隈や漫画・イラストの例が分かりやすいですが、パクリや盗作はあっという間に割り出される世界です。

    パクる人の傾向と特徴。SNSにおける騙りと現実
    (2021年9月11日付)


     さらには、他人の動画や画像を勝手に用いた事で、無断転載(著作権法違反の疑い)等で訴えられたり、通報が増えて運営側からも悪質とみなされた場合はアカウントごと停止(BAN)になるリスクも伴います。



     アカウントを消して逃げたところで、インターネット上での嘘や不正、炎上した形跡は半永久的に残ってしまいます。最悪は匿名掲示板などでも取り上げられ、実名などプライバシーまで晒される危険性もあります。

     これくらい大丈夫だろうと思っていたことが、後になって大きな痛手に繋がる事もあります。不正には何ひとつメリットはありません。




    後先を考えた言動が重要



     誰しも発信や検索ができるインターネット上で、嘘や不正をしてしまった後、それらが発覚したらどうなるか、失うものは何か…まずは自分のアカウントで想像してみて欲しいです。

    ・そこでコツコツ積み上げてきたもの
    ・仲良くしてくれるフレンドやチームメイト
    ・リアルの繋がりや、楽しい思い出
    ・いい意味で投稿がバズって嬉しかったこと

     不正が無い事実だからこそ得た実績です。そこにはウデマエだけではなく、人柄や社交性などといった信頼の面も含まれます。
     また、フォロワーの数や活動規模の大小は関係ありません。たった一度の不正発覚で、これら全てを失う事になります。

     謝罪の有無でも変わってくるでしょうが、世間という集団からは「不正をした奴だ」と見られ続ける可能性も大きくなります。

     楽をしたい心理と同様に、危機を回避したい心理も人間の本能です。まして不正に対しては集団心理の方がはるかに強いことが多く、ユザネやアカウントを変えても逃げ切れないことも事実です。

     スプラなどゲームの場合は、ユザネは違うけどプレイスタイルやギアの使い方が同じ、SNS上でも当時と同じ人としか絡んでいない、配信で声や論調が同じなど、他人を装っていても第三者から見抜かれる部分もまた多いのも事実です。

     また、それまでの親しい仲間ほど、悪意からではなく「今は△△って名乗って改心してるけど、元は○○って名前で不正でた炎上したことがあるけどね」等と、どこか別の場所で話してしまう可能性もあるでしょう。



     プロ野球とのコラボ企画で、こういったコンプライアンス的かつネットマナーの意識を高める講習会が実施されるのも、今の時流かなと思うのです。

     言わずともがなと思いますが、プロゲーマーを目指したい人は、目先の欲に負けて嘘や不正をはたらくことは絶対厳禁です。
     プロの世界ほど実力以前に信用第一の世界であることは理解しておきましょう。





    おわりに。

     ウデマエ詐欺にメリットなしです。それこそテレビゲームの架空の世界でまで、自分を偽ることになんの意味があるのか。
     熱くなりやすいゲームだからこそ、道に迷いそうになった時こそコントローラーを置いて、自分自身に問うてみましょう。

     テキストひとつで気軽に絡んで繋がって、楽しいSNSの世界。しかし、便利で手軽な反面、不正を見逃さない部分も多く、いざ発覚すれば炎上や追放(アカウント削除)も免れない性質があり、基本的に信用で繋がっていると言えます。

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     もし、身近な人が不正に手を染めようとしていると分かった場合は、親しい間柄ならなおのこと忠告して止めてあげましょう。
     事後であれば当人と話す前に、信頼がおける人に相談したり、しかるべき場所には事実を報告して、不正を重ねさせない事もまた重要です。



     楽しい筈の対戦ゲーム。最初はどういう気持ちで始めたか、初心を思い出すだけでも効果はあります。

     ゲーム上でも立ち回りが重視されるように、ネット上では立ち振る舞いに注意したいものです。

    (´∀`) 弱い自分を認める事も大事



    ※2022年修正リライト/サムネ追加




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