あつまれ どうぶつの森の人気にあやかり、昨今では企業や団体も積極的に独自の「島」を作ってPRに乗り出している雰囲気があります。
個人と企業では「権利のかかり方」が全く違うんです しかしその反面で政治活動やキャンペーン勧誘など、個人のプレイヤーでは想定されないような用いられ方もされるようになり、ツイッター上などプレイヤー界隈では「これはNGなのでは?」と疑問視する声も上がる事がありました。
それらを鑑みてか、2020年11月19日に任天堂の公式サイト、任天堂の公式アカウントから「注意とお願い」としての記述が出されました。
上記のツイートに入れない方は、下記のリンクから直接ドウゾ。
・『あつまれ どうぶつの森』を利用される企業・団体の関係者のみなさまへのお願いとお知らせ
(別窓・任天堂公式)
今回はこの「お願いとお知らせ」を読みながら、何がOKで何がダメなのか、私なりの解釈でざっくりと追ってみようと思います。
・『あつまれ どうぶつの森』を利用される企業・団体の関係者のみなさまへのお願いとお知らせ
(別窓・任天堂公式)
ここからは、上記の公式サイトの「お願いとお知らせ」を読みながら、
私なりの解釈で順に追ってみようと思います。
一個人の解釈ですので間違っている事もあるかもしれませんし、伝わらない部分もあるかもしれませんが、
感想文としてお察しください。
あつ森は「個人のお客様」向けのゲーム
開幕から書かれていますけども、スイッチ自体が家庭用ゲーム機として売り出しているハードなので、ソフトも同時に個人(エンドユーザー)向けなのは言うまでもない部分です。
しかしコロナ禍でステイホームの風潮→ゲームをする時間が増える→あつ森はオンラインのコミュニケーションツールとしても人気→配信ではオシャレな島や見栄えのする島が「注目」されて賑わう→大ヒットで社会現象に…
ここまで来ると、企業や団体も「PRに使えるかも」と考えるのは自然であったと思いますが…子供向けゲームと見られているのか、この時点で最初の利用規約はすっぽかされているんですよね。
任天堂さんの心の叫びはコレでしょう… 無論、任天堂にPRやキャンペーンに使いたいと
公式に許可を得ているなら問題ないのですが、本文を見るとそれを
偽って用いていた事例もあるのが察せて、さすがに版元として
物申す!の段階に来てしまったものと思われます。
ここに書かれている「お客様」とは
任天堂のユーザー(あつ森プレイヤー)のことで、健全に楽しんでいるユーザーたちに害があるような事をしたら
適切な措置(アカウント停止や利用禁止)をするよとも書かれています。
この「適切な処置」の言葉の重さ…最強の法務部&知財部の逆鱗に触れないようにしたいものですね。
OKなこと
・自作したマイデザインや島の夢番地を公表する事(無償のみ)
・島に招待する事(無償のみ)
・スクリーンショットを適切な範囲で使う事

言うなればこれは
個人の利用と全く同じことで、企業や団体も
この範囲を守れと言うお達しでしょう。
NGなこと
全年齢向けでない表現を行う事は禁止…具体的に言えばエロやグロ、猟奇的、暴力的、差別などの表現でしょう。
表現と言えばマイデザイン…裸や局部などアダルトな要素を想像させたり、血まみれなどの表現もこれに当たるでしょう。ハロウィンがあるからホラーは何でもあり…という訳ではないです。
これは書くまでも無いですが第三者の権利を侵害するような内容もNGです。個人でも禁止されています。
政治的な主張を含む表現も禁止に…昨今ちょっと話題になった某国の大統領候補の島がありましたけども、実際は
明らかに外注で(プレイヤーとしては)ガッカリさせられたのも記憶に新しいところですが。
そして、日本国内でも真似してそれっぽい事をやろうとした議員さんがいましたけども…
やめといて正解でしたね。
任天堂の総本山でもある
日本で「政治利用はNG」と明言されましたので、規約上に明記の無い海外諸国でも共通の規約に改訂されるのか、そこは注目しておきたいところです。
事実と異なる内容…ユーザーに「その企業だけのプレミアアイテムがある」とか「企業や団体だから、任天堂に許可取ってやってるんだろう」と思わせる行為をするなという事です。
たとえば、いち個人のユーザーが「私は任天堂に許可貰ったのでマイデザ販売します」と言っても「そんな許可が出るワケないだろw」と誰も信じないし、規約違反だと注意されたり、最悪は通報されてアカウント停止が末路でしょう。
しかし…企業や団体が主催だと「企業だから公式にあつ森とコラボしているのかな?コラボでグッズがあるなら欲しい。何か買った方がいいかな?」と信じてしまう事がありますよね。
要は
個人と法人では影響力が違う自覚を持って欲しいのでしょう、企業や団体が使うのは構わんが、調子に乗るなよ…という強~い
睨みの視線を感じます。
続いては
マーケティング行為や勧誘の禁止…言わずともがな明らかな
営利利用の一端になります。

企業もPRに使うという事は、なんらかの販促や集客という側面を期待している筈ですが、あつ森を利用しての
見返りを求める利用はNGとなりました。
NG行為。以下は
一例ですが…
「夢見の島に来てくれたら、ニンテンドースイッチを抽選でプレゼント!」
「フレンド登録して島に来てくれた人には、もれなく○○ポイント贈呈!」
「島にある暗号(マイデザ)を探して、応募しよう(要会員登録)」
「ツイッターをフォローしてくれた人は島に招待します!」
「スクショとハッシュタグをつけて応募すると、抽選で○○が当たる!」
「人気キャラのアミーボカードを手に入れよう!夢番地はコチラ!」
「島に招待されたら○○団体に○円寄付されます!フォローしてね!」
「夢を見てくれた人に当店で使えるクーポン・ポイントをプレゼント!」
…こういう売り文句のキャンペーン、懸賞企画、応募に関する登録サイトへの勧誘の類は
一律NGとなった訳です。
応募するように仕向けるってことは、当選した場合にプレゼントを送付する個人情報を教えろって事ですし。任意でも(あつ森をエサにした企画で)ユーザーの個人情報を集めてる事になりますよね。
当然のことながら
金銭が絡む内容は禁止に。

「○○ブランドのマイデザインのドレス、会員登録すると500円で特別提供!」
「当店のマイデザインを着てスクショを投稿しよう!抽選で○○当たる!」
「マイデザインになったジャケットこちらで販売中です!URL~」
先に例を上げましたが、
個人だと信用しないような文言でも、企業や団体が主催だと「公式なのかな?」と
錯覚してしまったり、あつ森グッズのコレクションになるからと(主催企業に悪意が無くても)
ただの物販サイトの誘導に騙されてしまうかもしれません。
尚、
個人においても金銭絡みのやり取り(RMT)等は認めないとの事で、捕まった場合は処罰される可能性があると言えます。
読んでいくと、ほぼほぼ
個人の利用規約の枠を出てないです。いかに企業や団体側が
基本的な利用規約すっとばして、人気取りだけにあやかろうとしたかよく分かりますね。
個人にすら厳しい処置を検討しているのに、法人たる
企業や団体が違反してどうするんですか!というお話です、ホントに。
今後も更新される可能性が…
販促用の企画で使いたいなら、ちゃんと任天堂に
承諾を得てからにしなさいと
文末に書かれています。
ゲームだからってタダで販促に使うのは反則だと思いませんか?現実はダジャレで済まない話です。
そこの企業の企画営業さん、もし御社が逆の立場だったらどうしますか?…勝手に製品を使われて「なに勝手にウチのキャラをPRに使ってんだよ許可してないぞ!使用料も払え!訴えるぞ!」ってなりませんか?
コロナ禍でステイホームで手段が限られている中、藁にも縋る思いで話題に乗りたかったかもしれませんが、企業や団体だからこそ
ビジネスの側面は筋を建てた方がいいと思います。
正直、この企画はちゃんと公式にコラボして、販促や集客に組み込んだ方がもっと話題にできたのでは?と思うような企画もチラホラありました。
企業の夢見の島も、気持ちよく訪れたいものです 見た目はかわいらしい全年齢対象の
子供用ゲームでも、作ってるのはいい歳した大人たちなんですよ。 開発の人は心血を注いでデザインやモデリングしたり、プログラム組んだりデバッグしたりて製品を生み出し、今でもアプデやオンラインのシステム維持するため、現場で働いてる方々で成り立っているソフトウェアです。
ゲーム業界だって今やビジネス市場の一端です。特許庁のデータベース調べれば「あつまれどうぶつの森」は商標登録されていますし、キャラクターやゲームデザインもプログラムも知的財産として保護を受けてる「製品」なんです。
任天堂のからの今回のお達しはユーザーの保護を軸にしている傾向が伺え、企業や団体には許可する範囲を与え、行き過ぎた内容を制し律する意味だとしても、かなり
寛大な内容だと思います。
それでも追々に
適切な措置が下るような企業や団体が出ない事を祈らざるを得ません。外野から見れば「子供用ゲームを勝手に使って、版元に訴えられる会社とそこにいた大人」にしか見えませんし、企業イメージも台無しですよ。
末端の一個人・いちプレイヤーの私ですら、いろいろと思う所が浮かぶ内容の通達で、個人としても気を付けたいと思いました。
<おわり>
※この記事に用いたスクショはリア友にも協力いただきました。ありがとうございました!
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